第1章 総則
この規定は、当事務所がその職務に関して受ける弁護士の報酬等に関する標準を示すことを目的とします。
- 弁護士報酬は、法律相談料、書面による鑑定料(意見書作成料)、着手金、報酬金、手数料、顧問料および日当とします。
- 前項の用語の意義は、次表のとおりとします。
法律相談料 | 依頼者に対して行う法律相談(口頭による鑑定、電話による相談を含みます。)の対価をいいます。 |
書面による鑑定料(意見書作成料) | 依頼者に対して行う書面による法律上の判断または意見の表明の対価をいいます。 |
着手金 | 事件または法律事務(以下「事件等」という。)の性質上、委任事務処理の結果に成功不成功があるものについて、その結果のいかんにかかわらず受任時に受けるべき委任事務処理の対価をいいます。 |
報酬金 | 事件等の性質上、委任事務処理の結果に成功不成功があるものについて、その成功の程度に応じて受ける委任事務処理の対価をいいます。 |
手数料 | 原則として1回程度の手続または委任事務処理で終了する事件等についての委任事務処理の対価をいいます。 |
顧問料 | 契約によって継続的に行う一定の法律事務の対価をいいます。 |
日当 | 当事務所所属の弁護士が、委任事務処理のために事務所所在地を離れ、移動によってその事件等のために拘束されること(委任事務処理自体による拘束を除く。)の対価をいいます。 |
着手金は、事件等の依頼を受けたときに、報酬金は、事件等の処理が終了したときに、その他の弁護士報酬は、この規定に特に定めのあるときはその規定に従い、特に定めのないときは、依頼者との協議により定められたときに、それぞれ支払いを受けます。
- 弁護士報酬は、一件ごとに定めるものとし、裁判上の事件は審級ごとに、裁判外の事件等は頭書依頼を受けた事務の範囲をもって、一件とします。
- 第3章第1節において、当事務所から引き続き上訴審(第二審、第三審)を受任したときの着手金は審級ごとに請求します。ただし、報酬金については特に定めのない限り、最終審の報酬金のみを受けます。
- 裁判外の事件等が裁判上の事件に移行したときは、別事件とします。
次の各号の一に該当することにより、受任件数の割合に比して一件あたりの執務量が軽減されるときは、当事務所は、第2章および第7章の規定にかかわらず、弁護士報酬を適正妥当な範囲内で減額することができます。
- 依頼者からの複数の事件等を受任し、かつその紛争の実体が共通であるとき。
- 複数の依頼者から同一の機会に同種の事件等につき依頼を受け、委任事務処理の一部が共通であるとき。
- 当事務所は依頼者に対し、あらかじめ弁護士報酬等について、十分に説明するものとします。
- 当事務所は、事件等を受任したときは特段の事情のない限り、委任契約書を作成します。
ただし、委任契約書を作成することに困難な事由があるときは、その事由が解消された後にこれを作成するものとします。 - 委任契約書には、事件等の表示、受任の範囲、弁護士報酬等の額および支払時期その他の特約事項を記載します。
- 当事務所は、依頼者から申出のあるときは、弁護士報酬の額、その算出方法および支払時期に関する事項等を記載した弁護士報酬見積書を交付しなければなりません。
ただし、前2項に定める委任契約書を作成した場合は、この限りではありません。
- 着手金および報酬金を受ける事件等につき、依頼の目的を達成することについての見通しまたは依頼者の経済的事情その他の事由により、着手金を規定どおり受けることが相当でないときは、当事務所は、第3章の規定にかかわらず、依頼者と協議のうえ、着手金を減額して、報酬金を増額することができます。
- 依頼を受けた事件等が、特に重大もしくは複雑なとき、審理もしくは処理が著しく長期にわたるとき、または受任後同様の事情が生じた場合において、前条第2項または第2章ないし第4章の規定によっては弁護士報酬の妥当な額が算定できないときは、当事務所は、依頼者と協議のうえ、その額を妥当な範囲内で増額することができます。
弁護士報酬は、この規定に定める金額に、弁護士の役務に対して課される消費税の額を加算して請求します。
なお、受任中に法改正等により消費税の税率が変更された場合には、請求時の税率によって算定される消費税相当額との差額に相当する額を加算して請求いたします。
第2章 法律相談料等
法律相談料は次表のとおりとします。
個人 | 30分ごとに5,000円 |
個人事業者・法人 | 30分ごとに5,000円以上10,000円以下 |
- 書面による鑑定料は次表のとおりとします。
書面による鑑定料(法律意見下書) | 一鑑定事項につき10万円以上100万円以下 |
2. 前項において、事案が特に複雑または特殊な事情があるときは、当事務所は依頼者と協議のうえ、前項に定める額を超える書面による鑑定料を受けることができます。
第3章 着手金および報酬金【第1節 民事事件】
本節の着手金および報酬金については、この規定に特に定めのない限り、着手金は事件等の対象の経済的利益の額を、報酬金は委任事務処理により確保した経済的利益の額をそれぞれ基準として算定します。
前条の経済的利益の額は、この規定に特に定めのない限り、次のとおり算定します。
- 金銭債権は、債権総額(利息および遅延損害金を含みます。)
- 将来の債権は、債権総額から中間利息を控除した額
- 継続的給付債権は、債権総額の10分の7の額。ただし、期間不定のものは、7年分の額
- 賃料増減請求事件は、増減額分の7年分の額
- 所有権は、対象たる物の時価相当額
- 占有権、地上権、永小作権、賃借権及び使用借権は、対象たる物の時価の2分の1の額。ただし、その権利の時価が対象たる物の時価の2分の1の額を超えるときは、その権利の時価相当額
- 建物についての所有権に関する事件は、建物の時価相当額に、その敷地の時価3分の1の額を加算した額。建物についての占有権、賃借権及び使用借権に関する事件は、前号の額に、その敷地の時価の3分の1の額を加算した額
- 地役権は、承役地の時価の2分の1の額
- 担保権は、被担保債権額。ただし、担保物の時価が債権額に達しないときは、担保物の時価額相当額
- 不動産についての所有権、地上権、永小作権、地役権、賃借権及び担保権等の登記手続請求事件は、第5号、第6号、第8号および前号に準じた額
- 詐害行為取消請求事件は、取消請求債権額。ただし、取り消される法律行為の目的の価格が債権額に達しないときは、法律行為の目的の価額
- 共有物分割請求事件は、対象となる持分の時価の3分の1の額。ただし、分割の対象となる財産の範囲または持分に争いのある部分については、争いの対象となる財産または持分の額
- 遺産分割請求事件は、対象となる相続分の時価相当額。ただし、分割の対象となる財産の範囲および相続分について争いのない部分については、その相続分の時価相当額の3分の1の額
- 遺留分減殺請求事件は、対象となる遺留分の時価相当額
- 金銭債権についての民事執行事件は、請求債権額。ただし、執行対象物件の時価が債権額に達しないときは、第1号の規定にかかわらず、執行対象物件の時価相当額(担保権設定、仮差押等の負担があるときは、その負担を考慮した時価相当額)
- 前条で算定された経済的利益の額が、紛争の実態に比して明らかに大きいときは、経済的利益の額を、紛争の実態に相応するまで、減額します。
- 前条で算定された経済的利益の額が、次の各号の一に該当するときは、当事務所は、経済的利益の額を紛争の実態または依頼者の受ける経済的利益の額に相応するまで、増額することができます。
⑴ 請求の目的が解決すべき紛争の一部であるため、前条で算定された経済的利益の額が紛争の実態に比して明らかに小さいとき。
⑵ 紛争の解決により依頼者の受ける実質的な利益が、前条で算定された経済的利益の額に比して明らかに大きいとき。
- 第11条により経済的利益の額を算定することができないときは、その額を1,000万円とします。
- 当事務所は、依頼者と協議のうえ、前項の額を、事件等の難易、軽重、手数の繁簡および依頼者の受ける利益等を考慮して、適正妥当な範囲内で増減することができます。
- 訴訟事件、非訟事件、家事審判事件、行政審判等事件および仲裁事件の着手金および報酬金は、この規定に特に定めのない限り、経済的利益の額を基準として、それぞれ次表のとおり算定します。
ただし、着手金および報酬金の最低額はそれぞれ10万円とします。
経済的利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
300万円以下の部分 | 8% | 16% |
300万円を超え3,000万円以下の部分 | 5%+9万円 | 10%+18万円 |
3,000万円を超え3億円以下の部分 | 3%+69万円 | 6%+138万円 |
3億円を超える部分 | 2%+369万円 | 4%+738万円 |
- 前項の着手金および報酬金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができます。
- 民事事件につき当事務所が引き続き上訴事件を受任するときは、前2項の規定にかかわらず、着手金を適正妥当な範囲内で増減額することができます。
- 前3項の着手金は、20万円を最低額とします。
- 調停事件および示談交渉事件(裁判外の和解交渉をいう。以下同じ。)の着手金および報酬金は、この規定に定めのない限り、それぞれ前条第1項及び第2項規定を準用します。
- 示談交渉事件から引き続き調停事件を受任するときの着手金は、この規定に特に定めのない限り、前条第1項および第2項規定により算定された額の2分の1とします。
- 示談交渉事件または調停事件から引き続き訴訟その他の事件を受任するときの着手金は、この規定に特に定めのない限り、前条第1項および第2項の規定により算定された額の2分の1とします。
- 前3項の着手金は、10万円を最低額とします。
- 示談交渉事件を除く契約締結交渉の着手金および報酬金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定します。
経済的利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
300万円以下の部分 | 2% | 4% |
300万円を超え3,000万円以下の部分 | 1%+3万円 | 2%+6万円 |
3,000万円を超え3億円以下の部分 | 0.5%+18万円 | 1%+36万円 |
3億円を超える部分 | 0.3%+78万円 | 0.6%+156万円 |
- 前項の着手金および報酬金は、事案の内容により、30%の範囲内で増減額することができます。
- 前2項の着手金および報酬金は、それぞれ10万円を最低額とします。
- 契約締結に至り報酬金を受けたときは、契約書その他の文書を作成した場合でも、その手数料を請求することができます。
- 督促手続事件の着手金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定します。
経済的利益の額 | 着手金 |
300万円以下の部分 | 2% |
300万円を超え3,000万円以下の部分 | 1%+3万円 |
3,000万円を超え3億円以下の部分 | 0.5%+18万円 |
3億円を超える部分 | 0.3%+78万円 |
- 前項の着手金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができます。
- 前2項の着手金は、10万円を最低額とします。
- 督促手続事件が訴訟に移行したときの着手金は、第15条の規定により算定された額と前3項の規定により算定された額との差額とします。
- 督促手続事件の報酬金は、第15の規定により算定された額の2分の1とします。
ただし、依頼者が金銭等の具体的な回収をしたときでなければ、これを請求することはできません。 - 前項の報酬は、報酬金は10万円を最低額とします。
- 前2項ただし書の目的の目的を達成するため、民事執行事件を受任するときは、当事務所は、本条第1項ないし前項の着手金または報酬金とは別に、民事執行事件の着手金をして第15条の規定により算定された額の3分の1を、報酬金として同条の規定により算定された額の4分の1を、それぞれ受けることができます。
- 離婚事件の着手金および報酬金は、次表のとおりとします。ただし、当事務所が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
離婚事件の内容 | 着手金および報酬金 |
離婚調停事件または離婚交渉事件 | それぞれ30万円以上50万円以下 |
離婚訴訟事件 | それぞれ30万円以上100万円以下 |
- 離婚交渉事件から引き続き離婚調停事件を受任するときの着手金は、前項の規定による離婚調停事件の着手金の2分の1とします。
- 離婚調停事件から引き続き離婚訴訟事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による離婚訴訟事件の着手金の額の2分の1とします。
- 前3項において、財産分与、慰謝料など財産給付を伴うときは、当事務所は、財産給付の実質的な経済的利益の額を基準として、第15条または第16条の規定により算定された着手金および報酬金の額以下の適正妥当な額を加算して、請求することができます。
- 前4項の規定にかかわらず、当事務所は、依頼者と協議のうえ、離婚事件の着手金および報酬金の額を、依頼者の経済的資力、事案の複雑さおよび事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができます。
- 境界確定訴訟、境界確定を含む所有権に関する訴訟その他境界に関する訴訟の着手金および報酬金は、次表のとおりとします。
ただし、当事務所が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
着手金および報酬金 | それぞれ50万円以上300万円以下 |
- 前項の着手金および報酬金は、第15条の規定により算定された着手金および報酬金の額が前項の額を上回るときは、同条の規定によります。
- 境界に関する調停事件および示談交渉事件の着手金および報酬金は、事件の内容により、本条第1項の規定による額または前項の規定により算定された額の、それぞれ3分の2に減額することができます。
- 境界に関する示談交渉事件から引き続き調停事件を受任するときの着手金は、本条第1項の規定による額または本条第2項の規定により算定された額の、それぞれ2分の1とします。
- 境界に関する調停事件または示談交渉事件から引き続き訴訟事件を受任するときの着手金は、本条第1項の規定による額または本条第2項の規定により算定された額の、それぞれ2分の1とします。
- 前各項の規定にかかわらず、当事務所は、依頼者と協議のうえ、境界に関する事件の着手金および報酬金の額を、依頼者の経済的資力、事案の複雑さおよび事件処理に要する手数料の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができます。
- 借地非訟事件の着手金は、借地権の額を基準として、次表のとおりとします。
ただし、当事務所が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
借地権の額 | |
5,000万円以下の場合 | 30万円以上100万円以下 |
5,000万円を超える場合 | 前後の額に5,000万円を超える部分の1%を加算した金額 |
- 借地非訟事件の報酬金は、次のとおりとします。
ただし、当事務所は、依頼者と協議のうえ、報酬金の額を、事案の複雑さおよび事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができます。
(1) 申立人については、申立が認められたときは借地権の額の2分の1を、相手方の介入権が認められたときは財産上の給付額の2分の1を、それぞれ経済的利益の額として、第15条の規定により算定された額
(2) 相手方については、その申立が却下されたとき、または介入権が認められたときは、借地権の額の2分の1を、賃料の増額または財産上の給付が認められたときは、賃料増額分の7年分または財産上の給付額をそれぞれ経済的利益として、第15条の規定により算定された額 - 借地非訟に関する調停事件および示談交渉事件の着手金および報酬金は、事件の内容により、第1項の規定による額または前項の規定により算定された額の、それぞれ3分の2に減額することができます。
- 借地非訟に関する示談交渉事件から引き続き調停事件を受任するときの着手金は、本条第1項の規定による額の2分の1とします。
- 借地非訟に関する調停事件または示談交渉事件から引き続き借地非訟事件を受任するときの着手金は、本条第1項の規定による額の2分の1とします。
- 仮差押えおよび仮処分の各命令申立事件(以下「保全命令申立事件」という。)の着手金は、第15条の規定により算定された額の2分の1とします。
ただし、審尋または口頭弁論を経たときは、同条の規定により算定された額の3分の2とします。 - 前項の事件が重大または複雑であるときは、第15条の規定により算定された額の4分の1の報酬を受けることができます。ただし、審尋または口頭弁論を経たときは、同条の規定により算定された額の3分の1の報酬金を受けることができます。
- 本条第1項の手続のみにより本案の目的を達したときは、前項の規定にかかわらず、第15条の規定に準じて報酬を受けることができます。
- 保全執行事件は、その執行が重大または複雑なときに限り、保全命令申立事件とは別に着手金および報酬金を受けることができるものとし、その額については、次条第1項および第2項の規定を準用します。
- 本条第1項の着手金および本条第2項の報酬金ならびに前項の着手金および報酬金は、本案事件と併せて受任したときでも、本案事件の着手金および報酬金とは別に受けることができます。
- 保全命令申立事件および保全執行事件の着手金および報酬金は、それぞれ10万円を最低額とします。
- 民事執行事件の着手金は、第15条の規定により算定された額の2分の1とします。
- 民事執行事件の報酬額は、第15条の規定により算定された額の4分の1とします。
- 民事執行事件の着手金および報酬金は、本案事件に引き続き受任したときでも、本案事件の着手金および報酬金とは別に受けることができます。
ただし、着手金は第15条の規定により算定された額の3分の1とします。 - 執行停止事件の着手金は、第15条の規定により算定された額の2分の1とします。
ただし、本案事件に引き続き受任するときは、同条の規定により算定された額の3分の1とします。 - 前項の事件が重大または複雑なときは、第15条の規定により算定された額の4分の1の報酬金を受けることができます。
- 民事執行事件および執行停止事件の着手金および報酬金は、それぞれ10万円を最低額とします。
- 破産、会社整理、特別清算および会社更生の各事件の着手金は、資本金、資産および負債の額、関係人の数等事件の規模ならびに事件処理に要する執務量に応じて定め、それぞれ次の額とします。
ただし、これらの事件に関する保全事件の弁護士報酬は、着手金に含まれます。
1. 事業者の自己破産事件 50万円以上
2. 非事業者の自己破産事件 30万円以上
3. 自己破産以外の破産事件 50万円以上
4. 会社整理事件 100万円以上
5. 特別清算事件 200万円以上
6. 会社更生事件 300万円以上 - 前項第1号および第2号の事件は、依頼者の免責が確定したときに限り、受領した着手金の額を限度として、報酬金を受けることができます。
- 本条第1項第3号ないし第6号の各事件の報酬金は、第15条の規定を準用します。
この場合の経済的利益の額は、配当額、配当資金、免除債権額、延払いによる利益および企業継続による利益等を考慮して算定します。
- 民事再生事件の着手金は、資本金、資産および負債の額、関係人の数等事件の規模ならびに事件処理に要する執務量に応じて定め、それぞれ次の各号に掲げる額とします。
ただし、民事再生事件に関する保全の弁護士報酬は、着手金に含まれます。
1. 事業者の民事再生事件 300万円以上
2. 非事業者の民事再生事件 50万円以上
3.小規模個人再生及び給与所得者等再生事件 30万円以上 - 民事再生事件の報酬金は、依頼者が民事再生計画認可決定を受けたときに限り、受けることができます。
- 第13条の規定は、前項の報酬金の決定について準用します。
- 前2項の報酬金の決定に際し基準となる経済的利益の額は、弁済額、免除債権額、延払いによる利益および企業継続による利益等を考慮して算定します。
ただし、次項の弁護士報酬を既に受領しているときは、これを考慮します。 - 当事務所は、依頼者が再生手続開始決定を受けた後民事再生手続が終了するまでの執務の対価として、依頼者との協議により、毎月相当額の弁護士報酬を受けることができます。
- 前項の弁護士報酬の算定にあたっては、執務量、着手金および既に本条第2項の報酬金を受領している場合には当該報酬金の額を考慮します。
- 民事再生法第235条に基づく免責申立事件(免責異議申立事件含む。)の着手金は、本条第1項第3号の規定により算定された額の2分の1とします。この場合の報酬金は、前項の規定を準用します。
- 任意整理事件(第24条第1項または前条第1項に該当しない債務整理事件をいいます。)の着手金は、資本金、資産および負債の額ならびに関係人の数等事件の規模に応じて定め、それぞれ次の額とします。
1. 事業者の任意整理事件 50万円以上
2. 非事業者の任意整理事件 30万円以上 - 前項の事件が清算により終了したときの報酬金は、債務の弁済に供すべき金員または代物弁済に供すべき資産の価額(以下「配当源資額」といいます。)を基準として、次の各号の表のとおり算定します。
1.当事務所が債権取立、資産売却等により集めた配当源資額につき
500万円以下の部分 | 15% |
500万円を超え1,000万円以下の部分 | 10%+25万円 |
1,000万円を超え5,000万円以下の部分 | 8%+45万円 |
5,000万円を超え1億円以下の部分 | 6%+145万円 |
1億円を超える部分 | 5%+245万円 |
2.依頼者および依頼者に準ずる者から任意提供受けた配当源資額につき
5,000万円以下の部分 | 3% |
5,000万円を超え1億円以下の部分 | 2%+50万円 |
1億円を超える部分 | 1%+150万円 |
- 本条第1項の事件が、債務の減免、履行期限の猶予または企業継続等により終了したときの報酬金は、第24条第3項の規定を準用します。
- 本条第1項の事件の処理について、裁判上の手続を要したときは、前2項に定めるほか、本節の規定により算定された報酬金を受けることができます。
- 行政上の異議申立、審査請求、再審査請求その他の不服申立事件の着手金は、第15条の規定により算定された額の3分の2とし、報酬金は、同条の規定により算定された額の2分の1とします。
ただし、審尋または口頭審理等を経たときは、同条の規定を準用します。 - 前項の着手金および報酬金は、それぞれ10万円を最低額とします。
- 経済的利益の額が算定不能の場合の着手金は、50万円を最低額とします。
第3章 着手金および報酬金【第2節 刑事事件】
- 刑事事件の着手金は、次表のとおりとします。
起訴前および起訴後(第一審および上訴審をいいます。以下同じ。)の事案簡明な事件 | 30万円以上50万円以下 |
起訴前および起訴後の前段以外の事件および再審事件 | 50万円以上 |
再審請求事件 | 50万円以上 |
- 前項の事案簡明な事件とは、特段の事件の複雑さ、困難さまたは繁雑さが予想されず、委任事務処理に特段の労力または時間を要しないと見込まれる事件であって、起訴前については事実関係に争いがない情状事件、起訴後については公判終結までの公判開廷数が二ないし三開廷程度と見込まれる情状事件(上告事件を除く。)、上告審は事実関係に争いがない情状事件をいいます。
- 会社犯罪事件、業務上横領事件、脱税事件の着手金は、第15条の規定により算定された額とします。
- 刑事事件の報酬金は、次表のとおりとします。
刑事事件の内容 | 結果 | 報酬金 | |
事案簡明な事件 | 起訴前 | 不起訴 | 30万円以上50万円以下 |
求略式命令 | 前段の額を超えない額 | ||
起訴後 | 刑の執行猶予 | 30万円以上50万円以下 | |
求刑された刑が軽減された場合 | 前段の額を超えない額 | ||
前段以外の刑事事件 | 起訴前 | 不起訴 | 50万円以上 |
求略式命令 | 50万円以上 | ||
起訴後 | 無罪 | 100万円以上 | |
刑の執行猶予 | 50万円以上 | ||
(再審事件を含む) | 求刑された刑が軽減された場合 | 軽度の程度による相当な額 | |
検察官上訴が棄却された場合 | 50万円以上 | ||
再審請求事件 | 50万円以上 |
- 前項の事案簡明な事件とは、前条の事案簡明な事件と見込まれ、かつ結果において予想された委任事務処理量で結論を得た事件をいいます。
- 会社犯罪事件、業務上横領事件、脱税事件の報酬金は、第15条の規定により算定された額とします。
- 起訴前に受任した事件が起訴(求略式命令を除きます。)され、引き続いて当事務所所属弁護士が起訴後の事件を受任するときは、第28条に定める着手金を受けることができます。
ただし、事案簡明な事件については、起訴前の事件の着手金の2分の1とします。 - 刑事事件につき当事務所所属弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、前2条の規定にかかわらず、着手金および報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
- 当事務所は、追加して受任する事件が同種であることにより、追加件数の割合に比して一件当たりの執務量が軽減されるときは、追加受任する事件につき、着手金および報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
検察官の上訴取下げまたは免訴、公訴棄却、刑の免除、破棄差戻もしくは破棄移送の言渡しがあったときの報酬金は、それまでに弁護人が費やした時間および執務量を考慮したうえ、第29条の規定を準用します。
保釈、勾留の執行停止、抗告、即時抗告、準抗告、特別抗告、勾留理由開示等の申立事件の着手金および報酬金は、依頼者との協議により、被疑事件または被告事件の着手金および報酬金とは別に、相当な額を受けることができます。
- 告訴、告発、検察審査の申立、仮釈放、仮出獄、恩赦等の手続の着手金は、一件につき30万円とし、報酬金は、依頼者との協議により受けることができます。
- 会社犯罪事件、業務上横領事件、脱税事件の着手金及び報酬金は、第15条の規定により算定された額とします。
第3章 着手金および報酬金【第3節 少年事件】
- 少年事件(家庭裁判所送致前の少年の被疑事件を含む。以下同じ。)の着手金は、次表のとおりとします。
少年事件の内容 | 着手金 |
身柄が拘束されている事件 | 30万円以上 |
身柄が拘束されていない事件 | 20万円以上 |
抗告、再抗告および保護取消事件 | 30万円以上 |
- 少年事件の報酬金は、次表のとおりとします。
少年事件の結果 | 報酬金 |
非行事実なしに基づく審判不開始または不処分 | 50万円以上 |
身柄事件で非行事実認定に基づく審判不開始、不処分または保護観察 | 30万円以上 |
在宅事件で非行事実認定に基づく審判不開始、不処分または保護観察 | 20万円以上 |
- 当事務所は、着手金および報酬金の算定につき、非行事実に争いがあったり、少年の環境調整に著しく手数を要したり、家裁送致以前の手続に特段の手数を要したり、試験観察に付されたなどの事情を考慮し、依頼者との協議により、前2項の着手金および報酬金を適正妥当な範囲で増額することができるものとし、少年の環境調整に格別の手数を要しないなど、着手金および報酬金を減額することが相当な事情であるときは、依頼者との協議により、本条第2項および前項前段に準じた報酬額を受領することができます。
- 家庭裁判所送致前に受任した少年事件は、第4条の規定にかかわらず、家庭裁判所に送致されても一件の事件とみなします。
- 少年事件につき、当事務所所属弁護士が引き続き抗告審等を受任するときは、前条にかかわらず、抗告審等の着手金および報酬金を、適正妥当な範囲内で減額することができます。
- 当事務所は、送致された事件が複数である場合および事件が追加して送致され併合された場合の着手金および報酬金の算定については、一件の少年事件として扱うものとします。
ただし、追加送致された事件により、依頼者との協議により適正妥当な着手金を受領することができます。 - 少年事件が刑事処分相当として家庭裁判所から検察官に送致されたときの刑事事件の着手金および報酬金は、本章第2節の規定によります。
ただし、当事務所所属弁護士が引き続き刑事事件を受任するときの着手金は、その送致前の執務量を考慮して、受領済の少年事件の着手金の額の範囲で減額することができます。
第4章 手数料
- 手数料は、この規定に特に定めのない限り、事件等の対象の経済的利益の額を基準として、次の各号の表のとおりとします。なお、経済的利益の額の算定については、第12条ないし第14条の規定を準用します。
1. 裁判上の手数料
項目 | 分類 | 手数料 |
証拠保全 (本案事件を併せて受任したときでも 本案事件の着手金とは別に受けることができます。) | 基本 | 30万円に第15条第1項の着手金の規定により 算出された額の10%と加算した額 |
特に複雑または特殊な事情がある場合 | 当事務所と依頼者との協議により定める額 | |
即決和解 (本手数料を受けたときは 契約書その他の文書を作成しても、 その手数料を別に請求することはできません。) | 示談交渉を要しない場合 | 300万円以下の部分 20万円 300万円を超え3,000万円以下の部分 1% 3,000万円を超え3億円以下の部分 0.5% 3億円を超える部分 0.3% |
示談交渉を要する場合 | 示談交渉事件として、第16条または第19条ないし第21条の各規定により算定された額 | |
公示催告 | 即決和解の示談交渉を要しない場合と同額 | |
倒産整理事件の債権届出 | 基本 | 5万円以上10万円以下 |
特に複雑または特殊な事情がある場合 | 当事務所と依頼者との協議により定める額 | |
簡易な家事審判 (家事審判法第9条第1項甲類に属する家事審判事件で事案簡明なもの) | 10万円以上50万円以下 |
2.裁判外の手数料
項目 | 分類 | 手数料 | ||
法律関係調査(事実関係調査を含みます。) |
基本 |
10万円以上100万円以下 |
||
特に複雑または特殊な事情がある場合 |
当事務所と依頼者との協議により定める額 |
|||
契約書類およびこれに準ずる書類の作成ならびに指導(契約条件の交渉等合意の締結に向けた活動は含みまず、別途「第17条に規定する着手金等が必要となります。」 |
定型 |
経済的利益の額が1,000万円未満のもの |
10万円以上20万円以下 |
|
経済的利益の額が1,000万円以上1億円未満のもの |
20万円以上40万円以下 |
|||
経済的利益の額が1億円以上のもの |
50万円以上 |
|||
非定型 |
基本 |
300万円以下の部分 20万円 |
||
特に複雑または特殊な事情がある場合 |
当事務所と依頼者との協議により定める額 |
|||
公正証書にする場合 |
上記の手数料に10万円を加算します。 |
|||
内容証明郵便作成 |
弁護士名の表示なし |
基本 |
3万円 |
|
特に複雑または特殊な事情がある場合 |
当事務所と依頼者との協議により定める額 |
|||
弁護士名の表示あり |
基本 |
5万円 |
||
特に複雑または特殊な事情がある場合 |
当事務所と依頼者との協議により定める額 |
|||
任意後見契約または任意代理契約 |
任意後見契約または任意代理契約締結に先立って行う依頼者の事理弁識能力の有無および程度、財産状況その他の依頼者の財産管理または身上監護に当たって把握すべき事情等の調査 |
基本 |
5万円以上30万円以下 |
|
特に複雑または特殊な事情がある場合 |
当事務所と依頼者との協議により定める額 |
|||
任意後見契約締結後から当該契約が効力を生ずるまで、または任意代理契約締結後から当該契約に基づく財産管理が開始されるまでの間になされる訪問による面談 |
一訪問につき5千円以上5万円以下 |
|||
任意後見契約または任意代理契約 |
委任事務の処理 |
任意後見契約または任意代理契約に基づく基本委任事務(依頼者の日常生活を営むために必要な基本的な事務をいいます。以下同じ。)の処理 |
月額3万円以上10万円以下 |
|
基本委任事務の範囲外の事務処理 |
基本委任事務に加えて収益不動産の管理その他の継続的な事務の処理を行う場合 |
月額5万円以上20万円以下または経済的利益(月額)10% |
||
裁判手続等を要する場合 |
本規定の他の条項に基づき算定された手数料、着手金または報酬金の額 |
|||
遺言書作成 |
定型 |
10万円以上30万円以下 |
||
非定型 |
基本 |
300万円以下の部分 20万円 |
||
特に複雑または特殊な事情がある場合 |
当事務所と依頼者との協議により定める額 |
|||
遺言執行 |
公正証書にする場合 |
上記の手数料に10万円を加算します。 |
||
基本 |
300万円以下の部分 30万円 |
|||
特に複雑または特殊な事情がある場合 |
当事務所と受遺者との協議により定める額 |
|||
遺言執行に裁判手続を要する場合 |
遺言執行手数料とは別に、裁判手続に関する弁護士報酬を請求することができます。 |
|||
会社設立等 |
設立、増減資、合併、分割、組織変更、通常清算 |
資本額もしくは総資産額のうち高い方の額または増減資額に応じて以下により算出された額 |
||
特に複雑または特殊な事情がある場合 |
当事務所と依頼者との協議により定める額 |
|||
会社設立等以外の登記等 |
申請手続 |
一件5万円。ただし、事案によっては、当事務所と依頼者との協議により、適正妥当な範囲内で増減額することができる。 |
||
交付手続 |
登記簿謄抄本、戸籍謄本抄本、住民票等の交付手続は、一通につき1,000円とします。 |
|||
株主総会等指導 |
基本 |
30万円以上 |
||
総会等準備も指導する場合 |
50万円以上 |
|||
M&A、事業承継 |
当事務所と依頼者との協議により定める額 |
|||
現物出資等証明(商法第173条第3項等および有限会社法第12条の2第3項等に基づく証明) |
一件50万円以上。ただし、出資等にかかる不動産価格および調査の難易、繁簡等を考慮し、会員と依頼者との協議により、適正妥当な範囲内で増減額することができます。 |
|||
簡易な自賠責請求(自動車損害賠償責任保険に基づく被害者による簡易な損害賠償請求) |
次により算定された額。ただし、損害賠償請求権の存否またはその額に争いがある場合には、当事務所は、依頼者との協議により適正妥当な範囲内で増額することができます。 |
第5章 顧問料
- 顧問料は、月額5万円以上とします。ただし、事業の規模および内容等を考慮して、その額を減額することができます。
- 顧問契約に基づく弁護士業務の内容は、依頼者との協議により特に定めのある場合を除き、一般的な法律相談とします。
- 簡易な法律関係調査、簡易な契約書その他の書類の作成、簡易な書面鑑定、契約立会、従業員の法律相談、株主総会の指導または立会、講演などの業務の内容ならびに交通費および通信費などの実費の支払等につき、当事務所は、依頼者と協議のうえ、顧問契約の内容を決定します。
- 顧問契約は、3ヶ月の仮契約をすることができます。
- 前項の契約は、総額9万円とし、サービス内容は前条2項及び3項を準用します。
- 仮顧問契約の締結から3ヶ月を経過とともに同契約は終了し、顧問契約を継続するときは前条の顧問契約を新たに締結する必要があります。
第6章 日当
- 日当は、次表のとおりとします。
半日(往復2時間を超え4時間まで) | 3万円以上5万円以下 |
1日(往復4時間を超える場合) | 5万円以上10万円以下 |
- 前項にかかわらず、当事務所は、依頼者と協議のうえ、前項の額を適正妥当な範囲内で増減額することができます。
- 当事務所は、概算により、あらかじめ依頼者に日当を請求することができます。
第7章 実費等
- 当事務所は、依頼者に対し、弁護士報酬とは別に、収入印紙代、郵便切手代、謄写料、交通通信費、宿泊料、保証金、保管金、供託金その他委任事務処理に要する実費等の負担を求めることができます。
- 当事務所は、概算により、あらかじめ依頼者に実費等を請求することができます。
当事務所は、出張のための交通機関については、最高運賃の等級を利用することができる。
第8章 委任契約の清算
- 委任契約に基づく事件等の処理が、解任、辞任または委任事務の継続不能により、途中で終了したときは、当事務所は、依頼者と協議のうえ、委任事務処理の程度に応じて、受領済みの弁護士報酬の全部もしくは一部を返還し、または弁護士報酬の全部もしくは一部を請求します。
- 前項において、委任契約の終了につき、当事務所のみに重大な責任があるときは、当事務所は受領済みの弁護士報酬の全部を返還します。
ただし、当事務所が既に委任事務の重要な部分の処理を終了しているときは、当事務所は、依頼者と協議のうえ、その全部または一部を返還しないことができます。 - 本条第1項において、委任契約の終了につき、当事務所に責任がないにもかかわらず、依頼者が当事務所の同意なく委任事務を終了させたとき、依頼者が故意または重大な過失により委任事務処理を不能にしたとき、その他依頼者に重大な責任があるときは、当事務所は、その委任事務が成功したものとみなして弁護士報酬の全部を請求することができます。
ただし、当事務所が委任事務の重要な部分の処理を終了していないときは、その全部については請求することができません。
- 依頼者が着手金、手数料または委任事務処理に要する実費等の支払を遅滞したときは、当事務所は、事件等に着手せず、またはその処理を中止することができます。
- 前項の場合には、当事務所は、速やかに、依頼者にその旨を通知しなければなりません。
第9章 雑則
当事務所は、日本弁護士連合会が定める「依頼者の本人特定事項の確認及び記録保存等に関する規程」に基づき、法律事務に関連して、依頼者の金融機関の口座を管理し、又は依頼者から若しくは依頼者のために金員、有価証券その他の資産(その合計が規則で定める金額以上のものに限ります。)を預かり(金融機関による送金の場合を含みます。)、若しくはその管理を行う場合には、依頼者について本人確認等所定の手続きを行い、依頼者はこれに協力して所定の書類等を提出するものとします。